平成20年度 日本陶芸倶楽部アマチュア作品展

受賞作品一覧


総評

今日は200点(283点)もの作品の中で、選ぶのにとても苦しみました。素晴らしい作品が多く、皆さんの愛情と一生懸命な想い、それぞれの方の美の感覚が作品に出ていて、とても圧倒されました。
小池頌子

陶芸部門


最優秀賞

和氣洋美「紙袋 バーチャル&リアル」
和氣洋美
「紙袋 バーチャル&リアル」
25.0×53.0×36.0p
後面の凹凸はしっかりと出ていて、正面はわざわざフラットにし描いただまし絵の「あぁ、ふくらんでいる、くぼんでいる」という感じがよくわかって圧倒されました。力強い良い作品だと思います。

小池頌子

好きな陶芸を楽しむ時間がなかなかとれない中、電車に乗っている時にふと「紙袋」のイメージだけが浮かびました。かれこれ半世紀もの間、視覚のイリュージョン、錯覚・騙しの世界に携わっておりますので、趣味のものにもつい仕事が顔を覗かせることになります。紙袋の柔らかさを表現しつつ、十分に広い表裏の面をキャンバスに見立てて、錯視の楽しさを表現することにしました。1つの面はフラットですが、出っ張ったり凹んだりしているように見える。反対側の面には、リアルに凹凸をつけて、表裏を対照させました。これが私の作品「バーチャル&リアル」です。

和氣洋美

優秀賞

田向章子「痩せたい箱」
田向章子
「痩せたい箱」
31.5×30.5×31.0p
色は淡い感じでフワッと仕上げ、ちょっと洒落た風に絵付で文字が入って、そしてメジャーが表現されていて…、芸が細かく面白いと思います。また技術的にもこれだけ大きい箱を作るのは大変だと思います。

前田正博

技能賞

堀田恭子「練上 Show plate」
堀田恭子
「練上 Show plate」
長角陶板 18.5×25.5×0.5p 4枚
長角皿 11.5×15.5×1.0p 2枚
ぐい呑 φ7.0×4.0p 4ヶ
労多く、難しい所のいっぱいある練込の仕事を長年研鑽を積まれ、絵画的に詩情豊かな作品にまで持っていかれたのはお見事です。            

栗原直子

奨励賞

菅 奈苗「ピーマン」
菅 奈苗
「ピーマン」
φ16.0×16.5p
器の形にピーマンを持ってくるという発想が面白いですし、デフォルメして自分なりの形にし つまみや底、色使い、細部にまで作ろうという意識が出ていたところを評価しました。

前田昭博

耳庵賞

進藤兼興「みのり」
進藤兼興
「みのり」
4.0×5.5×3.0p〜5.0×6.5×4.0p 5ヶ
使ってみたいなと思う位かわいくて魅力的。色々な形が丁寧に作られていてとても素晴らしい。

前田昭博

谷川徹三賞

水島謙二「焼締三角一輪差」
水島謙二
「焼締三角一輪差」
22.0×19.5×21.5p
三角で宙に浮いていて造形的、なおかつ焼締で非常に面白い。思いついた形をやりとげた実力というか技術は大変なもので、非常に感心しました。

前田正博

会長賞

阪本ひろ子「茶碗 鳥翳」
阪本ひろ子
「茶碗 鳥翳」
φ14.5×8.0p
手ごろな重さ、そして中に灰釉を掛けたときの面白い模様がバランスよく入っておりますし、高台が節目になっております。土も釉薬も特に変わった材料を使わずにサラッと上手にお作りになっています。

出光昭介

特別賞

谷中耀子「グリム童話より Hansel und Gretel」
造形と絵付がとてもうまくかみ合っています。この箱の中から物語が溢れてくるような形で表現されていて魅力的でした。

前田昭博

毎日新聞東京社会事業団賞

吉田美代子「黒掻落線条文スープ皿」
吉田美代子
「黒掻落線条文スープ皿」
φ25.0×5.5p 5枚
見た時に宇宙空間にフワーッと浮いているような感じがして、魅力的でいいなと思いました。内側も釉薬が天の川みたいで、昔見た空を思い出すような気持ちよい作品。

小池頌子

NHK厚生文化事業団賞

大野鞠子「ペルー 人面金冠」
大野鞠子
「ペルー 人面金冠」
φ24.0×17.0p
全面金泥を塗っていて、金はちょっとするとイヤミになるけれど、お人柄でしょうかすごくキレイに品よく上がっていると思います。

前田正博

日本画部門


優秀賞

池田恭子「薫風」
池田恭子
「薫風」
76.0×94.0p
日本画は最近では麻紙(まし)を使用することが多いが、これは絵絹(えぎぬ)に描いている。絵絹に描く技術、牡丹の写生力のみならず、空気が見事に表現されている。

人気投票上位作品


陶芸部門


第1位

岡 俊男「絵替花文小皿」
岡 俊男
「絵替花文小皿」
φ13.5×1.5p 10枚
8年連続でご来場者の高い評価を賜り感謝いたします。 先生の懇切丁寧なご指導と職員皆さんの真摯な姿勢、また笑顔を絶やさぬアットホームな雰囲気で楽しく続けられたことに感謝しています。

岡 俊男

長山一夫「篆刻朱・白文印平皿 のぞきからくり」板皿19.0×22.5×0.5p 6枚  小皿 8.5×8.5×1.5p 6枚
長山一夫
「篆刻朱・白文印平皿 のぞきからくり」
板皿19.0×22.5×0.5p 6枚
小皿 8.5×8.5×1.5p 6枚

東京国立博物館 東洋館でみた古代中国の石版に施された硬質の細い彫線の静謐なイメージを皿に表現してみたいと思い、また年の初めから制作している、篆刻教室で100個模刻した印を利用したシリーズ作品の新展開の心づもりもあった。そして独自で使っている赤・灰色・白・黒・青色の下絵付釉薬のさらに面白い使い方を試してみたかった。試行錯誤の上完成した皿は、線彫りによって生じると予想した赤土の素朴な味わいが消えてしまい、釉薬の発色と相まって、かなりモダンで軽やかな皿となった。鮨屋の握り皿に使用する目的だったのだが、篆刻文様上の朱は鮮やかで、魚介類の持つ自然の美しい色合いを邪魔してしまうかも知れない。当初の意図には反してしまったが、面白い皿が出来上がったと喜んでいます。

長山一夫

第3位
第3位
藤牧広子「色絵金彩青磁花文大皿・蓋物」 大皿 φ40.0×5.0p
藤牧広子
「色絵金彩青磁花文大皿・蓋物」
大皿 φ40.0×5.0p
蓋物 φ10.5×5.5p 5ヶ
永井一郎「秋刀魚皿」8.5×39.0×2.0p 5枚
永井一郎
「秋刀魚皿」
8.5×39.0×2.0p 5枚
第5位
第6位
第7位
松本光江「釉彩傘立 はなみずき」
松本光江
「釉彩傘立 はなみずき」
19.5×32.0×40.0p
森 令二「馬香炉」
森 令二
「馬香炉」
10.0×28.0×19.5p
田邉京子「青い地球」
田邉京子
「青い地球」
φ23.0×36.0p
第8位
第8位
第10位
巖谷さゆり「小さな茶席」
巖谷さゆり
「小さな茶席」
茶碗 φ3.0×2.0p
水指 φ3.5×3.0p
茶入 φ1.5×1.5p
建水 φ3.0×2.0p
手付鉢 φ4.0×5.5×3.5p
菓子 φ0.5×0.5p
佐藤昌行「照明器 潮騒」
佐藤昌行
「照明器 潮騒」
14.0×23.0×38.0p
石王丸幹夫「天目それぞれ」
石王丸幹夫
「天目それぞれ」
φ12.5×7.5p 6点

日本画部門


第1位

三代川豊子「桃子・桜子・大和」
三代川豊子
「桃子・桜子・大和」
52.0×52.0p 


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